ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)




志谷先生に大量のプリントを提出し終えたのは、空が群青色に染まり始めた頃だった。


「本当にこの時間からご飯食べるの?」


職員室から並んで教室に戻っている間、私は三神くんに話し掛けた。


「やっぱいいや。なんか晩飯食えなそうだし。いいんちょーちょっと付き合って」


「付き合うってどこに?」


何も入ってなさそうなスクールバックを背負った三神くんは、私をちらりと見遣ると微かに笑う。


「秘密」


「秘密って……」


三神くんは教室とは反対の廊下に進むと、そこから階段を上に登っていく。


タンタン、と規則正しい音がふたり分。


私は三神くんの少し後ろを着いていく。