ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

私は視線を黒板の方へ遣る。


黒板の前にひとり残った三神くんだけが座ろうとしない。


「三神、書けてんなら座れ。それとも質問?」


窓枠に寄り掛かりながら志谷先生が訊ねる。


「質問」


「なに?」


三神くんと一瞬、目が合った気がした。


「いいんちょー、今日の放課後空いてる?」


教室がしん、と静まり返った。


いや、正確には違う。


あまりのことに誰も言葉を発せないのだ。


「まじかよ三神……さすがに……」


和香ちゃんが思いっきり引き攣った顔でそう呟いた。


「そ、そういうことは授業中に言わないでください!」


「あんた朝から俺のこと避けてたでしょうが」


三神くんは左耳のピアスを弄りながら言う。


だとしても、違うよね!


何かが激しく間違ってるよね!


なんで授業中に言うの三神くんのアホ!