ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

頭を殴られたみたいだった。


拒絶するようなその言葉に、喉の奥がぎゅっと詰まる。


そうだ。


私と三神くんを繋ぐものなんて、ひとつもないじゃないか。


私にそんな権利なんてない。


ほんの少しみんなより距離が近いからって勝手に舞い上がって勘違いして、馬鹿みたいだ私。


三神くんが遠足に来てくれたら、みんなの誤解が解けるかもしれないなんて、私の勝手なエゴでしかないのに。


三神くんを見れなくて、私は視線を落として俯く。


「ごめ……なさ……」


乾いた口から出たのは、掠れた声だった。


「三神くんこのまま問題集出来そうだから、私先帰るね。用事思い出しちゃった」


「いいんちょー」


「それから篠宮くんは落ち着いてやれば計算はあってるので、付箋のところ見てやってくださいって伝えておいて。分からないところは志谷先生に聞けばいいから。それじゃあ」


足早に教室を出ようとする私の手首を、三神くんが掴んだ。


「おい」


「……ごめんなさい。私、今三神くんと話すと、きっと困らせてしまう」


手首の熱から逃げるように、歩き出す。


今度は三神くんが引き止めることは無かった。