慧くんも浜辺の方で友達が待っていると言うので、2人で歩き始める。
手に持っていたかき氷は、絡まれている間にすっかり溶けてしまい、せっかくの味がほとんど楽しめずに甘いシロップになってしまった。
しょんもり心を萎ませていると、慧くんが不意に口を開いた。
「元気だった?」
一拍遅れて、私も返事を返す。
「うん。慧くんも、元気でしたか」
「うん、元気。卒業式以来かな。お互い、遠い高校に進学したから」
「意外でした。慧くんは周りからも信頼されてたから、誰も知り合いがいないような高校じゃなくて、皆と同じ高校に行くんだと思ってた」
「その信頼を一度全部まっさらにしてみたかったんだ。おかげで未琴には会えなかったけど」
「慧くんが私の知らない間も頑張っていて、それが報われてたなら嬉しいです」
「……変わんないんだな」
「え?」
ぱっと顔を上げると、慧くんが私を見ていた。
もうそこに皆がいる浜辺があるのに、足が止まる。
私の方からは慧くんは逆光になって、表情が読めない。
その“変わらない”は懐古か、軽蔑か、一体どんな意味を持つのだろう。
知りたい。
怖い。
強ばった手に力が入る。
「未琴のそういうところが、俺は──」
手に持っていたかき氷は、絡まれている間にすっかり溶けてしまい、せっかくの味がほとんど楽しめずに甘いシロップになってしまった。
しょんもり心を萎ませていると、慧くんが不意に口を開いた。
「元気だった?」
一拍遅れて、私も返事を返す。
「うん。慧くんも、元気でしたか」
「うん、元気。卒業式以来かな。お互い、遠い高校に進学したから」
「意外でした。慧くんは周りからも信頼されてたから、誰も知り合いがいないような高校じゃなくて、皆と同じ高校に行くんだと思ってた」
「その信頼を一度全部まっさらにしてみたかったんだ。おかげで未琴には会えなかったけど」
「慧くんが私の知らない間も頑張っていて、それが報われてたなら嬉しいです」
「……変わんないんだな」
「え?」
ぱっと顔を上げると、慧くんが私を見ていた。
もうそこに皆がいる浜辺があるのに、足が止まる。
私の方からは慧くんは逆光になって、表情が読めない。
その“変わらない”は懐古か、軽蔑か、一体どんな意味を持つのだろう。
知りたい。
怖い。
強ばった手に力が入る。
「未琴のそういうところが、俺は──」



