ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

それから、私は慧くんとの約束を破り続けている。


誰もが嫌厭した委員長を引き受け、誰かの代わりに仕事をした。


『もう誰かを生きるのは辞める』


約束はずっと頭の中にあったけれど、誰かの代わりを求める人を前に、どうしても声が出なかった。


絡めた指先の温度は覚えているのに、あの日どうやって足を踏み出したのか、何度記憶を辿っても分からなかった。


きっと、勇気がなかったのだと思う。


慧くんほどの勇気を、私は何一つ持っていなかったのだ。


結局、私の手の中に残ったのは、交わした約束とその罪悪感だけだった。


お願いどうか。


どうか慧くんが今の私を知ることがありませんように。


約束がきっと、彼を傷つけてしまうから。


私はきっと、彼を裏切ってしまうから。


密かに願い続けた想いの果てでしかし、私は慧くんを見つけた。