そうしてまた季節が巡った。
忘れられない暑い暑い夏が、道を違えた私たちにも平等に訪れた。
相も変わらず“誰か”を生きる私は、夏休みの登校日にも先生に頼まれた仕事を黙々とこなしていた。
午後3時。
せめて風を入れようと開け放した窓から、セミの鳴き声が飽和していく。
誰もいない教室は、校舎に反響する人の気配を濃くしていくばかりで、きっと私はあちらには行けないのだと、ぽつりと思った。
それを吐露できる友達は、もう遠い。
私は溜息にも満たない息を吐いて手を止める。
じっとりとこめかみから流れた汗を手の甲で拭ったら、なんとなく疲労が増した気がした。
『はやく終わらせよう』
言い聞かせるように呟いてみたはいいものの、止めた手は動いていなかった。
その時、後ろの扉が開く音がした。
弾かれたように振り返って、目を瞬かせる。
そこにいたのは慧くんだった。
忘れられない暑い暑い夏が、道を違えた私たちにも平等に訪れた。
相も変わらず“誰か”を生きる私は、夏休みの登校日にも先生に頼まれた仕事を黙々とこなしていた。
午後3時。
せめて風を入れようと開け放した窓から、セミの鳴き声が飽和していく。
誰もいない教室は、校舎に反響する人の気配を濃くしていくばかりで、きっと私はあちらには行けないのだと、ぽつりと思った。
それを吐露できる友達は、もう遠い。
私は溜息にも満たない息を吐いて手を止める。
じっとりとこめかみから流れた汗を手の甲で拭ったら、なんとなく疲労が増した気がした。
『はやく終わらせよう』
言い聞かせるように呟いてみたはいいものの、止めた手は動いていなかった。
その時、後ろの扉が開く音がした。
弾かれたように振り返って、目を瞬かせる。
そこにいたのは慧くんだった。



