ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

そんなことを話しながら結局、私たちは学年総会の司会を任されてしまって、総会までの2週間、ふたりで準備に明け暮れた。


誰もいない教室で肩を並べて、原稿を考えて、書いて、言葉に出して、繰り返して。


手の抜き方を知らなかった。


不真面目な生き方を選べなかった。


自由な生き方に憧れてはいたけれど、“誰か”の代わりをやることで感謝されるのは嬉しかった。


似たもの同士がふたり。


互いが吐露した悩みを抱えて、互いに唯一の理解者であろうとした。


『未琴といると、自分が自分でいられる気がする』


慧くんが眉を下げて不器用に笑うのを隣で眺めながら、私もだと呟く。


『私も、慧くんといるとこんな自分も悪くないかもって思えるんです』


伝えた言葉に偽りはなかった。


心から、この時間を愛おしく感じていた。