ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

私は言い訳を探すみたいにアスファルトを進んで、それが嘘にならないようにストローをきちんと2本貰った。


この炎天下に往復するのは億劫にも感じたけれど、建物や木の影を踏みながら日向を避けてまた帰る。


その途中、すれ違った大学生男子の3人グループが私に声をかけた。


「君、この辺の子?ひとり?」


彼らは私に用があるのではなく、“女の子”に用があるのだということは一目で分かった。


3人に行く手を阻むように囲まれて足を止めざるを得なかった私は、その場で一歩踵を引いて答える。


「友達が、待ってるので」


「友達?女の子?何人で来たの」


矢継ぎ早に繰り出される質問は、質問の形をしていながらも私に答える隙を与えない。


背の高い男の人が私に次々と誘い文句を投げかけ、あとのふたりは「お前いじめるなよ」だとか「可哀想だろ」だとか、ひとつも思っていないことを唇に乗せながらケラケラと笑った。


「友達は男の子もいます。通してください……!」


「じゃあ女の子だけで遊ぼうよ。お兄さん奢ってあげるから」


「遊ばないので、ほんとうに通してください」


踏み出す足踏み出す足を遮られ、私は困り果てる。


それを待っていたかのように、彼らは私に手を伸ばした。


「何もしないから、こっちにおいで」


あ。


指先が腕に届く。


触れられたら、逃げられない。


怯えた身体を、誰かが引いた。