ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

「どんなだった?」


「なっ……」


「嬉しかったんだ?三神との間接“キス”」


考えないようにしていたことを言い当てられて、ピシャン!と体が硬直する。


嬉しいなんて、そんな、それを待ち望んでたみたいに。


違うけれど、全部が嘘だと言えない。


少なくともあの時、私は三神くんの行動を受けいれたんだ。


何よりもその事実に動揺して、和香ちゃんのからかいを遮るようにかき氷のカップを和香ちゃんの胸元に突き出した。


「……っ私!ストロー貰ってくるから!和香ちゃんの分も!」


言い終わるや否や、私はカップを和香ちゃんに押付けてその場から逃げるように来た道を足早に戻る。


背中の方で和香ちゃんの「ごめんごめん、冗談だってばぁ」という声が聞こえたけれど、聞こえないふりをした。


ここで引き返したら、根掘り葉掘り聞かれてしまうことくらい、容易に想像できたから。