ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

「何その反応。どうしたの?」


和香ちゃんが眉を下げて固まった私の顔を覗き込む。


「かき氷、取られたくなかった?」


「ううん」


「もしかして、美味しくなかった?」


「違うくて……あの、」


私はふるふる首を振り、口篭る。


言葉を探していると、和香ちゃんはうーん、と人差し指を口元に当て、


「そのストロー、三神と間接キスしちゃった、とか」


「……っ」


「あたり」


ぶわりと顔に集中した朱の色が、和香ちゃんに答えを教える。


改めて言葉にされると、堪らなく恥ずかしい。


私だけ意識しているのが幼稚なようで、気にしていない振りをできるほど大人にはなれない。


人を好きになったことも、誰かと手を繋いだことも、ぜんぶが初めてだったから。


触れることのないキスなんて、もう不意打ちじゃないとできない。


「へぇ……三神とキス、ねぇ」


和香ちゃんが心底面白そうに笑みを浮かべる。


「キ……スはしてません!」


「あぁごめん間接“キス”だった」


どうでもいいように流すあたり、からかっているのは明白だ。


私は頭の先にまで熱が昇って、ふるふると身体を震わせる。