ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)




浜辺に戻ると、篠宮くんはすっかり砂に埋まっていた。


盛られた砂はボディービルダーのような筋肉の形をしていて、いつもの篠宮くんより一回りも二周りも大きい。


篠宮くんを埋めた4人は満足気な表情をしていたけれど、篠宮くんも満更ではないようで、しきりに写真撮って、写真撮ってと繰り返していた。


三神くんもそれに巻き込まれ、面倒そうな顔をしている。


「すごい盛り上がりですね」


「海といったら、みたいなことやり尽くそうかと思って」


そう言って額の汗を拭う和香ちゃんは、子どもっぽく笑う。


「いいと思う」


「未琴も一緒にね」


軽く叩かれた肩は柔く熱を持つ。


“一緒に”の中に入れていることが嬉しいと言ったら、和香ちゃんは当たり前だと言って少し怒るだろうか。


自分が想像している以上に、私の周りの人は私のことを考えてくれている。


今はただ、それに自信を持って応えられるようになりたい。