ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

「足浸けるだけなら、ワンピースとかスカートでも大丈夫かな……」


今から買いに行くのでは遅すぎる。


元々体に自信がないから、どうしても着たいわけではないけれど。


私は仕方なく、首の後ろにリボンの付いたお気に入りのワンピースを手に取ると、鏡の前で胸元に当てる。


フレンチ袖と落ち着いた紺が涼し気なフレアワンピースだ。


袖を通すと、長めの裾がふくらはぎの当たりを掠め、ふわりと広がるのが可愛い。


「ん、これでいっか」


髪を軽く巻いて、高めのポニーテールに結い上げて、迷ったけれど睫毛とリップだけ薄くメイクも施す。


学校は校則があってできないし、従姉妹が半ば押し付けてきたコスメも、ほとんど出番がないくらいだから、本当に気持ち程度だけれど。


夏らしくベージュのキャップとカジュアルなかごバッグを合わせたところで、再びスマホが着信音を鳴らした。