ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)




夏休みが始まるとその胸の音は大きくなって、ぼーっとしては、いけないいけないと首を振るようになってしまった。


おかげで早く終わらせてしまおうと思っていた課題が、予定を過ぎても終わらない。


「これじゃ、色恋にうつつを抜かした中学生男子と変わんない……」


課題を広げた机に額を落とし、扇風機の風に熱を飛ばさせながら、私は溜息を吐く。


プリントが煽られて、バタバタと音を立てていた。


仮にも華のJKなんだから、中学生男子はいただけない。


せめて女子中学生くらいまでは精神年齢を引き上げたいところだ。


けれど、胸が鳴るのはなかなか止まってくれない。


三神くんを思い出す度に、会いたい、なんて欲が唇から零れ落ちる。


それに驚いて、納得して、溜息を吐いて。


こんな私、知らない。


ずっと、私の温度が戻らない。