ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

先のことは分からない。


誰も知らない未来のことを、知ることはできない。


ただぼんやりと過ぎるはずだった夏が、急に取り零してはいけないもののような気がして、私は入道雲の眩しさに目を細めた。


白い光が滑る三神くんのシャツが、網膜に映る。


「後悔、か……」


「どうしたの?」


「んー」


誰かが開けた窓から入り込んだ夏の風が、三神くんの髪を撫で、それから私の頬を擽った。


明日から、しばらく三神くんには会えない。


「……夏休み、長いなぁって」


呟けば、胸の奥の方がきゅう、と音を立てたような気がした。