空の上から、 パレード隊がやってくる。 太鼓を叩き、笛を吹き、 トロンボーンを高く掲げて、 あの灰色の空の裂け目から、 夢の渡り船に乗って、 やってくる。 全ては心の隙間を埋めるために、 描いたただの空想。 ただの夢。 それは今、形に変わり 現実になって、目の前に現れる。 ビルの街を行く人々は、 ただ、呆然と空を仰いでいた。 その光景は、現実と非現実が 一つに重なっていくようだった。 天を埋め尽くさんばかりの 紙吹雪。 明るくも悲しい音楽が、 大空いっぱいに響き渡る。