メールの送信完了を見届けてから、僕は久しく開いていなかったノートのページをめくり、一心不乱に鉛筆を走らせる。頭の中に次から次へと浮かんでくる物語のシーンを、僕はつぶさにノートに書き留めていった。
 
彼からの返事は、僕が予想していたより早く僕のPCへ届けられる。
 
 
斎藤です。
……なんか意味がよくわからないメールをもらっちゃいましたが……。
スランプは脱出しましたよ。今、鋭意更新中です。
どうぞご心配なく。
 
 
彼からのメールを読んで、僕は今書きあげたばかりのプロットの内容をメールの本文に打ち込みはじめる。

――だれのおかげでスランプ脱出出来たか教えてやるよ!
 
怒りにまかせた僕のタイピングのキーを叩きつけるような音が部屋中に響き渡っていた。