――雑誌に、掲載……?
 
僕は彼の書いた文章の意味が飲みこめず、マウスに手を添えたままモニター画面を見つめてしまっていた。
――いや、彼の書いた作品が出版社に認められたという事実から目をそむけたかっただけかもしれない。
 
もし、このままの人気が続いて彼が作家としてデビューすることになったとしたら?
 
僕は大声で叫びたい衝動にかられてしまう。
身を掻き毟ってのたうちまわり、言葉にするのももどかしい僕の今のこの気持ちを爆発させたかった。
 
 
『彼』の作品のすべては、『僕』の作品だ。
 
彼は知らなければいけない。
彼が悩んでいる『書けなくなった理由』を。
僕が、彼の作品の創造主であることを。
 
  
彼のサイトには、彼に直接メールを送れるメールフォームがある。
僕は彼とコンタクトを取ることにした。