一方友利は…。

明日は休みで漣とのデートだ。
今まで悩んだことすら忘れていた。
何着て行こうか、どこ行こう………………?



何か違う。


そうだ、自分が今悩んでる事件を解決するために行くんだ。


普通に誘ったわけではないし、かわいそうに思われただけかもしれない。
友利はそう思うと落ち込んだ。



そして土曜日。
目が覚めると友利は漣が気に入ってくれてるのかもしれないという希望をもとに、念入りに身支度をした。
しかし気付いた。















【……約束何時だっけ??】


メールを見返す。
どこにも時間についてやり取りした形跡がない。
メールをしようかと思っていた時…。


「今日何時にする?すっかり忘れてたよ笑」


漣も気付いたのだ。
そんな2人がおかしくて友利はぷっと吹き出した。

【今の自分のことが解決したら今度は普通のデートがしたい】

友利は確信していたのだ。
これがただの気のせいではないことを。


昨日の夜、漣とメールしたあと、ふと夜空がカーテンの隙間から見えた。

「綺麗だなぁ…」

そこには蒼く輝く星があった。

町を見渡す。
家の電気の白やオレンジ、車のライトやビルの電飾が遠くに少しだけ見え、自分の家の前を見た。
何かが銀色に光った。
黒い何かがいた。
不審者か?
違う。
遠くからでも生きた者に感じる身動き1つ、警戒心すらも感じることができない。
逃げるでもなく、隠れるでもなく、かと言って近付くでもなくそれは消えた。
ただ何故か自分を見ている気がした。