そう、嫌味を残した広斗は
すたすたと先に歩き始めてしまった。
「ちょ!待ちなさいよ!
だったら、来なきゃいいじゃない!」
気付けば、また可愛くない事を…。
と思いながらも
私の口は閉じる事を知らない。
「大体!朝からあんたの顔なんて
見たくないし!」
よくもこんなに
思ってもない事が
ポンポンと出てくること…。
素直になれない自分が情けない。
でも、言ってしまっては
後戻りはできず、
その背中を見つめていると
振り返った広斗と目が合って
心臓が音を立てた。
じーっと数秒、
私の目を見た後
「…あっそ。
でも、お前の事学校まで送らないと
颯人君に殴られるし。
それだけはまじで勘弁なんだよ。
俺だって本当は別の女の子と
登校したいっつーの。」
そう言い、ぷいっと前を向き
また歩き始めた。



