俺様女王様幼なじみの恋愛模様



学校までは徒歩10分とすごく近い。


だからこの時間に出ても
間に合うんだけど、
私には遅れられない理由がある。


それは…



「ったく、おせーんだよ。
結愛のくせに俺の事待たせるとか
何様?あと10秒待っても来なかったら
先に行くとこだった。」



これ。


私の家の壁に寄りかかりながら
待っているのは
長年片想いをしている幼なじみの広斗だ。


私と同じ学校の制服。
Yシャツは第二ボタンまで開けられ
それに合わせて緩く巻かれたネクタイ。
程よく下げられたズボンは、
茶色の髪の彼によく似合っている。


風で髪が揺られ、
時々姿を見せるピアスは
彼の一番のお気に入りだ。


そんな広斗に見惚れていると


「なんだ、そのあほ面。
まじで置いてくからな。
ってか、颯人君に頼まれなきゃ
毎日こんな面倒な事しないっての。」