「あんた…。」
「なぁ、これ俺のなんだけど
今、何してくれてたの?」
「それは…。」
「あ、もしかして知らなかった?
だとしても許すわけにはいかないんだよね。
なんたってこいつ俺のだからさ。」
達也に喋らせる隙を与えない威圧感を出し、
なんとも勝手な言い分を述べる広斗。
俺様過ぎてどうしようもない
と思う反面、
その言葉が嬉しいと感じてしまっている私は
どこかおかしいのかもしれない。
「知らなかったなら今すぐ覚えろ。
阿久津結愛は生まれた時から
俺のもんだって決まってんの。
だから、俺以外が触れちゃいけないわけ。
分かったなら早くここから出ていけ。」
いや、生まれた時からって…と
思わず突っ込みたくもなるけど
何故か広斗はこれを真剣に言っちゃってる
ってことは声でわかる。
そのせいで緩んでしまう頬を抑え、達也のほうを見ると
下唇をぎゅっと噛み締めただ立ち尽くしている。



