「なんかすごい騒ぎになってたけど、
この大衆の前でキスしたって本当?」
改めて言われると
さっきのことを思い出して
また顔が熱くなってしまう。
質問の内容に照れている私を見て、
それが本当のことだと悟った明穂は
にやにやと頬を緩めた。
「なにそれ、すごーい‼漫画の世界!
で、そんなに放心状態なのはキスされたからだけ?」
勘が鋭い明穂は、ほかにも何かあったと見抜いたようで
興味津々に訪ねてくる。
「…ひ、広斗がね、
ずっと前から私のこと好きだったって…、
そう言ったの…。」
確かにあれは聞き間違いじゃなかった。
それに
「朝、パパに私をもらうって宣言してきたの…。」
断片的にだけど、
朝からの出来事で重要な部分だけを
何とか切り取って明穂に報告した。



