「む…、無理!!」
に決まってるでしょ!?
それに私からってしたことないし!!
「へ~、じゃあ教えない。」
広斗はそんな私の返事を聞くなり
さっと手を放して昇降口へと歩き出した。
だめだ、
このままじゃ聞けない…。
そう思った私の体勝手に走り出していて
ぎゅっと広斗の制服を掴んでいた。
「…キ、キスは出来ないけど
教えてほしい…。」
精一杯の気持ちを込めて
広斗を見上げそう口にした。
すると…
「…結愛にしては上出来だね、
特別に教えてあげる。」
楽しそうに笑った広斗は
ぐっと顔を近づけ少し強引に
私の唇を奪った後、
「ずっと前から好きだよ。」
優しい声でそう言った。



