俺の、とか
付き合う、とかは聞いたけど
私のことを好きだという言葉は
一度もまだ聞いていない。
だから勇気を振り絞って聞いたのに
こいつは…
「…そんなに知りたいの?」
どこまでも俺様で意地悪なんだ。
ニヤッと口角を上げて私の顔を覗き込む。
「…し、知りたい…。」
今、真っ赤であろう顔のことは
この際気にしないことにしよう。
だってどうしても聞きたいから。
「ふ~ん、そっか。
じゃあ…。」
…じゃあ?
「ここで結愛がキスしてくれたら答えてあげる。」
…………
「はぁ!?」
キ、キスってできるわけないでしょ!!!
もう校門着いちゃったよ!?
しかも、私と広斗が手を繋いでることで
いつも以上に注目を浴びてるし
広斗の取り巻きからは睨まれてるのに
この状況で私からキスしろと!?



