そしてお昼休み。
例の嵐はまたやってくる。
「阿久津さん、今日の放課後デートしよ?」
「……。」
もう面倒くさくて無視した。
「ねーぇ、聞いてる?」
「おーい。」
前を向く私の顔を覗き込んでくるから
そのたびに顔を背けて
目を合わせないようにしていた。
その時ーーー
「俺のになんか用?」
背後から包まれた落ち着くにおいと体温。
それが誰のものかなんて振り返らなくても分かる。
「広斗、なんで…」
お昼休みに一年生の教室にいるの?
とは聞ける雰囲気ではなく
広斗と渡辺君は口元は笑みを浮かべながらも
目は笑っていないまま
互いにバチバチと睨み合っていた。



