「渡辺君、ごめんな…」
さい、そう言おうとしたけど
それは叶わなかった。
「もう謝らないで。」
彼の言葉に遮られたから。
「阿久津さんが
頑張ってたのはみんな知ってるし
今回のことは阿久津さんのせいじゃないし
あれだけ謝ったんだから
もうこれ以上は謝る必要はないよ。」
大勢の女の子が見とれてしまうような
爽やかで柔らかい笑みを浮かべた。
でも、と声が出そうになったけど留めた。
こう言ってくれるのなら
それは素直に受け取ろうと思って。
「…ありがとう。」
ごめんじゃなくて
ありがとうと伝え衣装を着替えるために
教室に置いてあった荷物を持って
空き教室に向かった。



