「結愛ちゃん、大丈夫だから
顔上げて?
みんな怒ってなんかないから!」
言葉と共に肩を持ち上げられ
体を起こしてくれた。
恐る恐る教室内をグルっと見渡せば
確かにみんな笑顔で私を見ていた。
「みんな…。」
「確かに、予定のラストとは違ったけど
話題性は抜群だよねあれ。」
「私、見入っちゃったよ。」
「本物の王子様みたいでかっこよかったし!」
あの一連の流れを肯定する言葉ばかりをくれた。
もう一度、ごめんなさいと
ありがとうと伝え
私はある人物の姿を探した。
それは…
「渡辺君…。」
この中で一番謝らないといけないのは彼だ。
役を取られてしまった上に
見方によっては
姫を取られた可哀そうな王子様になってしまう。
それに一番は、一緒に何度も練習して
劇を良くしようと努力してくれていたから。



