「…はぁ。」
高校に入学して1ヶ月と少し。
未だ対処法が分からず
とりあえず無視することにしている。
ちらっと横目で広斗を見れば
たくさんの女の子に囲まれ
笑顔を見せている。
「…チャラ男が。」
「結愛様、何か言いましたか?」
「別に!!言ってないから!」
思わず嫉妬の声が漏れれば
それを拾う取り巻きにイライラが増す。
とにかく、このイライラをおさめようと
さっき広斗からもらった
ジュースを握りしめ
教室まで向かった。
「明穂、おはよ。」
教室に入り、一番に私が向かうのは
親友、明穂の元。
「結愛、おはよう。」
ニッコリ微笑む明穂は
今日も天使だ。
「今日もすごい数に囲まれてたね。」
苦笑いを向け、私を労わってくれる。
「ホント、毎日毎日疲れる…。」



