ビックリして目を開ければ
前を歩いていたはずの広斗がいて
「お前、これ好きそうだと思って。
昨日俺が買うついでに買ってやった。」
手に持っているのは
新発売でずっと気になっていた
果肉入りのオレンジジュース。
「…え?」
「…え?じゃねーよ。
いらねーなら俺が飲むけど。」
「え!い、いる!ありがと!」
蓋を開けようとする広斗から
ペットボトルを半ば強引に奪った。
「ほら、マジで早く来ねーと
置いてくからな。」
また、すたすたと歩き始めた広斗を
今度は追うように走って
隣に並んだ。
「私の事よく分かってるね?
さすが幼なじみ君!」
「べつに~。」
サラッと流された会話だけど、
私は嬉しくて
学校へ着くまでの間、
広斗の隣でこの感動を
噛み締めていた。



