―――ズキッ
と、今度は心臓が掴まれたような
痛みの音がした。
自分があんなこと言わせたくせに
傷付くなんて…。
前を歩く広斗の後を
大人しく歩き始めた。
彼は2歳年上の幼なじみの結城広斗。
親同士が昔から仲が良くて家も隣同士。
広斗の家はカフェ兼Barを
広斗の両親、美桜ちゃんと斗真君で
経営している。
美桜ちゃんはお店の
パティシエとしても働いていて
すっごい美人さん。
斗真君もパパと同じくらいイケメンで
すごく優しい。
そんな2人の間に生まれた広斗は
だんだんと俺様化していった。
話を聞けば、
美桜ちゃんは小悪魔で
斗真君はパパと同じくらい
Sっ気が強かったらしいから
広斗がそうなっていくのは
もはや当たり前だったのかもしれない。



