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挙式および披露宴を終え、結婚式場から藤堂家の屋敷に戻ると、結婚式の興奮も冷めないうちに寝室へと飛び込む。
私達にとってはここからが本番だった。
……お待ちかねの初夜である。
「いーおーりさん!!」
シャワーを浴びて上から下まで今度こそバッチリ準備が出来た私はベッドで待っていた伊織さんの前でタオルを解き、この日のために購入したランジェリーを披露した。
「泉さんに教えてもらったお店で買ったの。どう?似合ってる?」
胸元に桔梗の刺繍をあしらったチュール素材のネイビーのキャミソールと、セットで買ったランジェリーは泉さんにも店員にも可愛いと太鼓判を押してもらった。
伊織さんからもお褒めの言葉をもらえないかと期待して待っていると、伊織さんは私をゆっくりベッドに押し倒した。
「似合ってるけど……初夜にしては刺激が強すぎない?」
「そう?」
「……泉に礼を言わなきゃいけないのが、複雑な気分」
「なら、作戦成功ね!!」
お預けをたっぷりと食らっていた私はもう待ちきれない。
伊織さんに抱き着くと、彼の愛を確かめるように、手を互い違いにして握りあう。
これからとびっきり刺激的な夜が始まる。
泉さんという強力な味方を得て、ちょっぴり耳年増になった私は伊織さん更に驚かせることになるのだけれど。
それは、また別の機会に。
☆おわり☆



