(かっこよかったなあ……)

私は枕を抱えベッドに寝転がり、先日のキスを思い出してはひとり赤面していた。

図らずも作戦通りキスが出来たわけだが、想像以上に素晴らしいものだった。

(もっとキスしたいなあ……)

一度とは言わず、二度、三度。

伊織さんが望むのなら毎日だってしたい。

しかし、同じ手を二度は使えない以上、別の手段を考えなくてはならない。

私はグフフとちょっと気色の悪い笑みを浮かべた。

心配には及びません。もう先手は打ってあるのだから。

私はバッグから先日の結婚パーティーで景品にもらったレストランの招待券を取り出し、チュッとキスをした。

(これでデートに誘っちゃおうっと!!)

最悪キスが出来なくとも、ゲットした景品でデートに誘うことが出来るという何とも美味しい、我ながら抜け目のない見事な作戦であった。