ヤツってこんな瞳してたんだ。 私に映ったヤツの瞳はすごく深くて、澄んでいて、そして吸い込まれそうで… 「話って話す事なんてないよ」 私はそう言ったものの、ヤツの瞳から逸らせなかった。 「んなに見つめんなよ、愛しのリョウ先輩が妬いちゃうよー」 「うっさい、バカ!」 ヤツの冗談で私はようやく視線を落とし、帰る支度を進めた。 そしてそのままの勢いで店を出て、真っ直ぐ家に帰った。