―ピンポーン

………

―ピンポーン

………

―ピンポーンピンポーンピンポーン

あぁ!うるさい!

時計を見るとまだ朝の9時。

誰だよ!

私は思いっきり寝起きでドアを開けた。

「ミワコおっはよー!さっ、出掛けるよ!」

勢いよく他人の家に上がってきたのは…アイ。

「ちょっと…意味わかんなぁい。どこ行くのよ、大体朝早すぎ…」

既にベッドにもたれかかって座っているアイにゲンナリした口調で言った。
.
「やっぱりミワコ寝てると思ったー。さっ早く準備して!」

背中を押すアイ。

「何で何で?アイが来るとか知らなかったし…」

「アイ昨日メールしたよー?寝ちゃってた?」

ふと携帯を見ると確かにアイから誘いのメールが入ってた。

でも気づかなかったのは、リョウ先輩といて、たぶん私が大泣きしてた時。

「いや…寝てはなかったけど…」

「じゃあアイのメール無視?」

「違うよ。気づかなかったってか、実はね…」

私が昨日の事を話そうとした時、

「ちょっと待って!話長くなりそうだから電車の中で!とりあえず、用意!」

私はもう完璧にアイのペースに呑み込まれていて、アイの言う通り、準備を始めた。