仕方なくアイが残したお酒を飲む私。
沈黙。
ヤツと2人になるといつも沈黙をしてしまう。
そんな沈黙を破るのは私だけど、今日は違った。
「チビっ子さぁ、マヂリョウ先輩と付き合ってんの?」
またこの話。
「何でアンタまでそんな事聞くのよー。」
私は平然を装う様にメニューを見ながら答えた。
「昨日手ぇ繋いでたから」
ソフトドリンクを飲みながら言うヤツの声に少し動揺してしまった私は
「あっ!梅酒ロックお願いします」
と話を流した。
梅酒ロックが運ばれてきて、タバコを吸いながら今度は私から沈黙を破った。
「アンタも昨日綺麗な女の子といたじゃん。彼女でしょ?カナコちゃんだったっけ」
煙をはきながら言う。
「あぁ…カナコはマヂ彼女じゃねぇよ」
「あんなに腕絡ませてたのにぃ?」
灰皿にトントンと灰を落としながら言った。
「つか俺、不特定多数だし」
ヤツの言った事にビックリした私は思わずタバコを落とす。
「えっ、不特定多数ってなにそれ?意味分かんない。」
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