それから私はアイスを買って帰った。
いつも通りバイバイと手を降ろうとした時、繋いでいた手をリョウ先輩は離してくれない。
「どうしたの?」
ドキドキ高鳴る胸を気にしながらリョウ先輩を見上げた。
「なぁ、ちょっと話そう?ミー明日休みだろ」
「休みだけど…どこで?」
「ミーの部屋って言いたいけど、近くの公園」
にっこり笑って言うリョウ先輩。
私は噴火しそうだ。
それから少し歩いて、もう誰もいない公園のベンチに腰かけた。
タバコを吸うリョウ先輩。
続く沈黙。
私もタバコを吸おうと鞄に手を伸ばした時。
「そんなんじゃないってどんなのだろうな」
リョウ先輩が沈黙を破った。
私は何の話か分からず、首をかしげた。
「ユウの事だよ」
「あぁ、さっきの?どうなんだろうね、あんな綺麗な女の人連れてるのに」
私はタバコに火をつける。
「ユウって遊び人かもな」
タバコを消しながらリョウ先輩が言う。
「まぁ、アイツ見た目はいいからね」
煙を出しながら言う私をリョウ先輩がイキナリ見つめる。
「えっ、どうしたの?」
ドキッとした私が咄嗟に出た言葉。
「ミーさぁ、次休み被った時俺ん家こいよ」
私の顔は本日二度目の噴火。
リョウ先輩は一人暮らしって言ってた。
リョウ先輩の両親に気を使う事もない、ないけど…
どうして?
私を家に呼ぶの?
誰もいない、家に。

