私は走る事もできず、バイバイと言って先に帰ったアイに手を降る事もできず、一歩一歩、いつもより慎重にリョウ先輩に近付いた。 私に気付いたリョウ先輩は片手を上げ、「お疲れさん」と言ってくれた。 私は俯いて、何も言えなかった。 するといつもの様に顔を覗き込んで、「またドジったのか?」とリョウ先輩は言う。 私がリョウ先輩と一緒にいて、恥ずかしかったり、泣きそうになるとリョウ先輩は必ず顔を覗き込んで「またドジったのか?」と少し笑いながら言うんだ。