この時の私は体全体から込み上げてくる涙を必死に堪えて、一生懸命携帯を探していた手を止めた。 横でアイが私を肘でツンツンとして、よかったねって言ってくれたけど、私はそれどころじゃなかった。 スクーターにもたれ掛かってタバコを吸っているリョウ先輩はすごくかっこよくて、何て言葉で言い表したらいいか分からないけど、見とれた。 私はまた、リョウ先輩に恋をしてしまった。