店長室を出て、時計を見ると7時を過ぎていた。
私は慌てて鞄を取りに店の裏に行った。
「あッおかえり!何の話だった?」
私を待っていてくれたアイにさっき、店長に言われた事を話した。
「ふーん…でも気を付けなよ?」
「大丈夫!」
私はまたニカっと笑ってピースサインをした。
アイと一緒に店を後にしようとした時、私はリョウ先輩にメールを送った事を思い出し、鞄をゴソゴソと探り出した。
その時、アイが私の肩をトントンと叩いて、
「あ・れ」
と指差した。
そこにはいつも乗っているスクーターにもたれ掛かるリョウ先輩がいた。
私は、涙がぶわーっと込み上げてきた。

