「ああ!ミワコ!ほんとに少しずつでいいから!」
一度に大量に下ろそうとする私にアイが慌てる。
「逆に少しずつでないと値段とか決める時に大変だよ?」
アイは口を尖らせて言った。
「そっか!」
とりあえず、脚立から降りて、一枚ずつふくろに入っている服をまとめた。
時計を見ると6時50分。
あと10分だ…
そう思うと私は変に体を強張らせた。
「おい!チビ助!」
ヤツの声でビクっとする私。
「へ…?」
「間抜けな声出してんじゃねぇよ。店長が呼んでる。」
「あっはい」
と返事すると、チラッとアイを見た。
「これやっとくからいっといで。」
アイはニッコリ笑って言った。
私は店長の居る部屋に足を進めた。

