…樹side




「……だ、やだ!!」

勢い良く愛梨に払われた俺の手。
乾いた音と同時に俺の顔も驚きを隠せない。


今までこういうことが無かったからそれは尚更で、それにコイツはただの“嫉妬”だけでこんなことをしてる訳じゃないみたいだ。


だからって…

さすがにこういうのは気分が悪い。

その驚いた俺の表情は少しずつ曇っていく。


けど愛梨の表情を見る限り俺の手を振り払う気も『嫌だ』と言う気も無かったように感じられるから…

何か他に理由があるんだと分かった。


「どうしたわけ…?」

少し愛梨から離れ距離を取ってからそう言う。


けど頑なに閉ざした口を愛梨はなかなか開こうとしない。

それどころか視線さえも俺を向かない。


ゆっくりと俺はベッドから立ち上がると言った、

「今日は帰る、
…俺と話したくないんだろ?」

自分で言って何か複雑。


けど今の愛梨を見ればそんなのすぐ分かる。


俺に対しての不満とか、そういうのがあるからさっきも拒絶されたわけで…


まぁこのまま一緒にいてもどうせ俺がまた泣かせるようなことになりそうな気がしたから、一先ず帰ろう。


という結論に至った。