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───…。




ん…。

バチッと目を開いてみると一瞬だけ記憶が飛んだような感じがした。


「あれ…、あたし……」

ポツリと口にした言葉は途中で止まる。

そしてそれと同時に目がグッと見開かれると思えば…夢でもまだ見てるんじゃないかと、


「おはよう」

珍しくニッコリと柔らかい笑みを浮かべてあたしを見ている“彼”に少し驚いて、自分の中だけで時が止まったようにポカンと口を開けたまま止まる。

その姿は…きっとマヌケ面だろう、な。


さっきまで悩み悩んでいた相手がここに居て…

しかも!!


あたしに膝枕してくれちゃったりしてるから、…いまいちこの状況を理解するのに時間が掛かるみたい。


「…え、ちょ、え?」

ちょっと挙動不審な感じで言いながら、とりあえずその樹の膝から退く。

すると樹も少しあたしからズレて座り直す。


「何?驚いた?」

「そ、そりゃぁ…」

少し乱れた自分の髪をワシャワシャとしながらも伏し目がちに樹の目をチラリと覗き込む。