「…バカ!
もう、大好き大好きっ」
涙声の美菜はそのまま思いっきり翔太くんに抱き付く。
「愛してるよ、美菜ちゃん」
……。
何かだんだんこの場にいるのが恥ずかしなってきちゃったんだけど…
「卒業したら…ね?
ずっとずっと愛してるからね」
ニッコリと目に涙を浮かべながら微笑む美菜。
「うん、たくさん愛してね」
そのまま唇と…唇がぁぁ!?!?
顔が熱くなって、一人で焦る。
「つまんない」
すると隣から不満な声。
「……チュー、した…」
しかも深いなんて深いなんて…あーーっ!!
目をギュッと瞑る。
そう考えると…あたしもあんな風に…!
……何て、何て…ハレンチだよね??
グイッ!
「あ…っ」
腕を急に掴まれてツカツカと足が動く。
「おめでとうございます」
棒読みで樹は言うとそのまま屋上の扉に向かう。
ちょ…っ!!
あたしの許可とかは?
「…ありがと!
まぢ愛ちゃんありがとうねっ、いっちゃんも」
「王子にも感謝してるかあねーっ!
愛梨も…後でまた電話するから」
「は…はい。」
そんなことを言ってる間にあたしは屋上から出される。

