「…ふぅん、開かないの?」


「だ、だって!!」


「だって…?」


こうやって見上げる樹は…やっぱり何度見ても格好良くて。



って!!

あたし何考えっちゃってるの…!?


ふるふると首を振る。


そんなあたしを見下ろす樹の目は、何だか楽しそう。



「可愛くないね」

と言うと、樹は口に生チョコ一つを加えてあたしを見つめた。



……っ!?!?



「ん……っ…んん…!」


塞がれた唇。

その強引な口付けに息が出来なくなる…、苦しくて。


空気を求めるように薄く唇を開く。



「…!!」

それを待ってたというかのように、その僅かな隙につけ込むように樹の舌が強引な侵入を始めた。


チョコの味が口の中いっぱいに広がる…


絡まるソレに押される様にゴクンと喉を通った異物感。



もう食した筈なのに樹のザラリとした感触のソレは、

歯列をなぞり噛み付くようなキスを何度も何度も角度を変えてしてくる。



「…ん、ふっ……んん!」

ギュッと目を瞑ったその時、離れる唇と唇。


二人を繋いだ銀色の糸は少ししてプツンと切れて離れた。