君は僕のもの 【続】





その紙袋をジッと見つめて、

「ん?」

ニヤリと微笑してからそう短く言う。



「だから…っ!」

真っ赤な顔をして頬を膨らませて少し拗ねたように。


そんな愛梨を見てて思わずクスクスと笑って、俺は愛梨が持つ紙袋に手を伸ばした。


紙袋の中にはベタなハートの箱。

チラッと愛梨の方を見ればコクンと頷いて、開けていいんだ…と確認。



ドキドキ…?

ワクワク…?


あんまりそんなこと無いからどう言っていいのか分からないんだけど、多分きっと俺は今そんな気持ち。



「…ッフ。」

箱の蓋を開けようとした時。


俺のことをジーッと見つめる熱い視線……

そのせいか意味深な声と笑みが自分の顔に浮かんで、何か変な感じ。



「開けるよ?」

半笑いでそう聞くと、機械みたいに何度も何度もコクコクと縦に頷いて…やっぱり何か笑っちゃう。


箱の中には四角くて茶色くて黒いものがいくつか入ってて、それは何とも良く見て見れば四角というか異物的な……



一言で言うなら…コレ何?


前回のケーキに続くこの不思議な物。


「これな…んて言うやつ?」

『コレ何?』と聞こうとしたけど、それはちょっと前と同じ事になるし、きっと愛梨のことだから頑張ったんだろうな…


なんて思ったから俺なりに気を使ったつもり。