君は僕のもの 【続】





あー、情けないなぁ。

人のこと言いたい放題よく言ってるケド…その割に自分が一番ダメな男で人間なのかもしれないね。


特にこの人のことになると余裕とか無いし。


ていうか自分で自分が違う人間みたいに必死になってたり悩んでたり…



アホらし。


けどそんな単純な感情とか出来事が本当に重要で。



「成り行き…で、……樹、居ないかと…思って……」

居ない訳ないでしょ。

ていうか成り行きって何?


あれだけ愛梨と一緒に居て。

それで今日が何の日か分かりませんなんてこと、なかなか無いと思うんだけどね。



そこまで性格悪くないし。


ていうか、俺の場合は性格が悪いっていうか…なんて言うか。


「何それ」

フ…ッと小さく笑って愛梨を見る。


しかも。

忘れちゃった訳?この人?



「ん」

自分の隣をポンポンと叩いて、こっちに来るように示す。

ぎこちない動きながらも愛梨はズルズルと身体を引きずるように俺のいる方へ寄ってくる。


広がってた距離はあっと言う間に間近になって。


肩が触れ合えばビクッと愛梨は反応する。



ただの幼馴染から恋人になってもうかれこれ半年以上くらい?なのに…未だこんな反応をしてくれる。


それは俺にとって愛梨が変わらずにあるってことで。


少し嬉しい。