君は僕のもの 【続】





ストンと愛梨はベッドの隅に座って。

俺はいつも通り椅子に座ったままボーっとしてる。


沈黙とか無言って確かに気まずいは気まずいけど…俺はそこまで気にしないしそれでも普通にしてられる。


けど愛梨の場合…

そういう無言とかになるといつも以上にソワソワ。



とにかくソワソワ。

それでもって俺が怒ってるとか不機嫌だとか、また被害妄想を繰り広げる。


ていうか思うんだけどさ。常日頃いつも四六時中、俺が怒ってる訳ないだろうってそういう話になるんだけど……



その時だった…。


「……あのね?」

か細い声が聞こえて身体の向きを少し横にずらす。


「ん?」

「えーと…うん。」


不意に合わせた視線。それを愛梨はあからさまに逸らすと…また一人でソワソワし始めた。


「今日は……」

「今日は?」

「……。」


シーン。


今日は、何なの?

そう思ってもう一度『何?』と聞き返してみる。


「……何の日で、しょうか…」

最後に近付く程に声が小さくなる。

毎回ながらこの愛梨の気の小ささは今に始まったことじゃないけど、慣れれば何とも思わなくなる。


いや、何とも思わなくも無いかも。


ていうか何の日って……


「何で?」

下から見上げるような目で見つめて聞き返す。