「は…はい!」
「ナニナニ!?!?キンチョーしてるの?」
また耳元でコソコソと美菜があたしをからかうように言った。
き!…緊張!?
まっさかぁ~~!!!
そう思うあたしの身体はカチカチに固まったまま、石になったみたいに動かなくなっていた。
多分…これは世間的に言う。
“緊張”とかだと、本当は思うのね。
と心の中で苦笑いしてみせる。
「もーっ!!ていうか大体どうして美菜はここにいるのよ!」
自然とあたしも小声になって美菜の耳元に言う。
そうよ!そうだよ!!
……何度も思ったけど、やっぱり美菜がここにいる意味が、?
「な・ん・で?いちゃいけないの??」
『当たり前でしょ!?』と、そう言う筈だったんだけど…
不意に視線を横に移す、するとそれはそれは凄まじい程に怖い眼力があたしをひっ捕らえた。
…う゛っ!
「別にそういう訳……じゃ…っ…いいえ、いちゃいけなくないです…はい。」
どんどんと縮こまって、水分が抜けたみたいになる。
「えーと、あのさぁ…」
あたし達の変な会話に見兼ねたのか何なのか。
小川くんが少し気まずそうに頭を掻きながら、一歩ずつあたし達の方に近付いて来る。
「あたし教室の外に居るから終わったら来てね!!」
“終わったら来てね!!”って…
「…あ、うん。分かった」
そして美菜が出て行ってから、微妙な空気が漂って少しだけ気まずくなる。
思えば……
あたし告白っていうのされるの初めてな気がするんだけど…。
どうしてだろう?
いや、どうしてなんて思うのもおかしい話なのかもしれない。

