「うん!すごーい美味しいよっ」

と笑顔で言う。


…本当に、よく食べる。



「ふぅん」

机に肘を付いて、掌に顎を乗せてボーッと愛梨を見つめる。


砂糖。

付き過ぎなんじゃない…?そのパン。

あ、砂糖じゃないの?


シナモン……?



「樹も食べる?」

随分長く見つめたせいか、
愛梨は菓子パンの一部を千切って俺に差し出した。


「嫌だ」

流し目でチラリと見てからフンッと顔を背ける。


「…っな!……そんな言い方…」

自分で差し出したその一口大の菓子パンを、
少しシュンとした面持ちで口の中へ運ぶと口を尖らせる。


『ううん、今はいいよ。ありがとう』

多分これが正解?


…けど、

『嫌だ』

不正解。



でもワザと言ってる訳じゃないし…ま、いいや。


そんな事を考えていると……



「しっかしアレだよねー、…本当マジ明日が休みで良かったじゃん!!」