キュッと口を噛み締めてそう言う愛梨。
もしかして…
そう思った時にはもう、腕の中へと愛梨を閉じ込めてた。
「俺の為に…コレ、準備してくれたの?」
細い腰のラインに腕を回してギュッと抱き締める。
少しして控え目な愛梨の腕が、
そっとゆっくり俺の背中に回されたのが分かった。
…俺の為に?
こんなことしてくれたの?
珍しいくらいに、人に対しての感謝の気持ちが溢れて止まらない。
「……う、ん…。
迷惑、…だった?……よね、」
コクンと小さく頷いてからまた泣き声が耳に入る。
俺まだ…何も言ってないのに。
「一個だけってやつ。
…愛梨はバレンタイン限定だと思ってない?」
少し腕を緩めて、チラッと上から覗き込む。
そうすれば、
上目遣いになった愛梨と目が合って、少しだけ……欲情。
したかも。
「え…?」
「バカ」
やっぱり愛梨は駄目。
脳が本当に足りてない感じ…
これはよくある“勘違い”ってやつ、…なのかな?
大体さ…
「…俺の彼女は誰?」
そんな俺の唐突な質問に、大きな目を見開きながら不思議そうな顔をする。
それがまさしく俺の彼女だったりするけど。

